JR奈良駅

数年ぶりにJR奈良駅に降り立った。

小・中学時代は京都南の木津で過ごしていたため愛着のある駅だが、
平城遷都1300年記念事業の駅改修後に見るのは初めてだ。

写真手前の2代目駅舎に慣れ親しんでいたため、降り立った時は少し驚き、そして感動した。
それは、圧倒的な格天井や吉野杉の丸柱など奈良らしさが滲み出ていたからだ。

ファサードはどことなく奈良の街にフィットしている。
後々調べて解ったのだが、奈良の都の艶やかさを表現した枕詞「青丹よし」を現代的に表現したらしい。
やはりコンセプトがしっかりしていると、説明をうけなくても感じとれるコトなのだろうか。

ターミナル駅にしては少し小規模で活気がなかったり、デザイン自体も予算がなかったのだろうと思うが、
それも「奈良らしさ」と思えるほど良い雰囲気の駅だった。

少なくとも、建築家の自己満足で終わってしまった、日本でも有数の”ある”ターミナル駅より
素晴らしいデザインだと思った。

 

西山 徹 / Tohru NISHIYAMA