2017.04.28

LARDINI 東京店

lardini
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竣工
2017 April
用途
Shop
所在地
東京都千代田区丸の内2-5-1 丸の内2丁目ビル1F
工事種別
内装工事
施主
リデア カンパニーリミテッド
設計
辻村久信デザイン事務所+moonbalance
  
西山 徹デザイン事務所 / 西山 徹
施工
バラック
撮影
繁田諭 写真事務所 / 繁田 諭

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2017.04.24

昭和が見ていたレトロ・モダン


シンガポールで飲食店のデザインをしています。

「昭和レトロをコンセプトにデザインしてほしい。」
クライアントからの要望です。

昔の雰囲気をデザインする事は本当に難しい。
形や見た目は再現出来ても、一番大切なコトが表現出来ないと思うのです。

アミューズメントパークを想像して頂ければわかりやすいと思いますが、
娯楽施設としては成り立っても、本物の食を提供する空間としては、
きっとクライアントが想像するものとは違ってくると思います。

一般的に想像される「昭和レトロ」をデザインし、パースや模型にしてプレゼンテーションすれば
おそらくOKはもらえるでしょう。
しかし、竣工したら「何か違う」と感じてしまうと思います。

僕はこういった依頼の場合、極力イミテーションを排除します。
模倣ではなく、抽象化したデザインにするか、本物のアンティークを使います。

白と黒、木と金物、男と女。
相反するモノは使い方さえ間違わなければ、とても美しいモノを生み出します。

ただ、立地は外国です。
もっとわかりやすいデザインの方が良いのではないか?
プレゼンテーションの前に自分の中で葛藤がありました。

でも、僕はこの空間で働く「ヤツ」の事を良く知っています。

僕らは昭和生まれですが、「あの頃」を感じながら生きてきた訳ではありません。
でも、今よりずっと自由だったし、たいていの事は許されていたと感じます。

その頃の活気や、今とらわれすぎている常識を、軽く超えてくれる男だと思っています。
そんなヤツが表現する「昭和レトロ」は、異国であっても模倣であるべきじゃない。

「昭和が見ていたレトロ・モダン」

あの頃の人が見ていた、そして、その想像を超えた空間が出来るのを楽しみにしています。

 

西山 徹 / Tohru NISHIYAMA