中島大祥堂 淀屋橋店
- 竣工
- 2023 July
- 用途
- Shop & Cafe
- 所在地
- 大阪市中央区北浜3-2-23
- 新・大阪信愛ビル1F
- 工事種別
- 内装工事
- 施主
- 中島大祥堂
- 設計
- 西山 徹デザイン事務所 / 西山 徹
- 照明設計
- フジコー / 睦月 千梨花
- 施工
- キクスイ
- 撮影
- 繁田諭 写真事務所 / 繁田 諭
里山の原風景が今なお残る、丹波市柏原に中島大祥堂は本店を構えます。
里山と共に歴史を重ねて行く唯一無二のデザインは、環境と共にあります。
数多くの店舗が並ぶ百貨店では、抽象性と無垢素材でバランスを取り、
イミテーションを排除した、コンパクトな本店を表現する事に注力しました。
今回は、路面店のキャンバスにデザインをする事となり、場所は大阪淀屋橋。
オフィス街に佇むファサードはガラス張りのビルデザインで、
生の和洋菓子とカフェを主軸とするこの店舗には、ターゲット層も踏まえ
本店のデザインをそのまま押し込むのは少し安易に感じ、一度立ち止まりました。
ファサードのガラス面にはブランドの「南蛮柄」をドットフィルムで表現し、
店内の視認性を確保しながら、街に開かれたコマーシャルデザインとなります。
インテリアデザインは女性客を想定し白を基調とし、全ての角にR加工を施し
影を和らげ、空間に柔らかい印象をもたらします。
シンプルな形状でありながら、R加工により求められる難解なディテールは、
作り手の努力と繊細さが故に成り立ち、丹波本店の「ひとつひとつ積み重ねる」コンセプトの
軸線上にあります。
SHOPスペースの表構えとなる高麗格子は従来のデザインを踏襲し、
CAFEスペースを囲う斜めの構造柱を利用したオブジェは、本店の茅葺き屋根を抽象化したデザインで、
2つの空間を、「さりげなく」「効果的に」隔てます。
もう一つ、中島大祥堂のデザインの答えが出たような気がします。
西山 徹 / Tohru NISHIYAMA