pallumer 京都店
- 竣工
- 2025 March
- 用途
- Shop
- 所在地
- 京都市中京区東洞院通三条下ル三文字町200
- ミックナカムラ1F
- 工事種別
- 内装工事
- 施主
- 香師
- 設計
- 西山 徹デザイン事務所 / 西山 徹
- 照明設計
- フジコー / 睦月 千梨花
- 施工
- 豊浦店舗内装
- 立体造形
- ARACO
- 撮影
- 繁田諭 写真事務所 / 繁田 諭
京町屋と西洋建築が混在する街、京都三条。
白い半紙に墨で書を表現するように、白鍵と黒鍵が特別な音色を奏でるように、
相反すると思われる対極の存在は、美しく調和し共存しています。
pallumer京都店のデザインは、その京都が歩んできた歴史の風景を取り入れています。
少し奥まった位置にあるこの場所は、建築を支えるRCを砕きながら空間を造り上げたかのように表現し、
その無骨な存在に繊細な格子が組み合わさる事により、対比により互いの美しさを際立たせています。
格子の小口は黒皮鉄で押え、これは木造建築の垂木小口仕舞が由来で、伝統の軸線上にあるデザインです。
香師の繊細な作業工程が滲みでたかのような、細やかなディテールとします。
照明計画は両脇の光床がベースライトとなり、必要最低限のスポットライトで構成されます。
香水に煌めきを与える光、黒皮鉄に鈍く反射する光、白壁のリフレクションにより空間を包み込む光。
日本家屋の灯りの根元が蝋燭であるように、陰影の中でこそ映える美しさを創りあげます。
ファサードのガラスに浮かぶ木桟は重力に逆らう香りを表現し、その延長線は店内の格子へと繋がります。
これは重力があるものが浮かぶ矛盾を緩和しつつ特別な感覚を与え、空間デザインの方向性を暗示しています。
西山 徹 / Tohru NISHIYAMA