「ニューミュンヘン」と「デザイン」

 

東の銀座ライオン、西のニューミュンヘン。
そう称される老舗のファサードデザインをさせて頂きました。

場所は大阪梅田・曽根崎お初天神通り。ニューミュンヘン発祥の地です。
すぐ近くには、惜しまれつつも今年1月に約60年の歴史に幕を下ろした本店がありました。

幅広い層から愛され続ける西のビアホール代表。
コアなファンがたくさんいらっしゃいます。
場所的にも、工事中はそんな方々から色々とお声がけを頂きました。

今回ほどデザインとは何なのかと感じた事はありません。

世の中にはデザインしなくて良い空間がたくさんあります。
変えてはならない空間があります。

時を経た美しさに勝る模倣は存在しません。

しかし、建築(空間)はいつしか必ず寿命を迎えます。
そのような物件の設計依頼を頂いた時に、どうデザインすれば良いのか・・・

今回はファサードデザインだけでしたが、少し答えを導き出せたと感じています。

“モノを大切にする心。より良いモノに進化させる挑戦。”

答え合わせは、いつかその全てをデザインする時にさせてください。

 

西山 徹 / Tohru NISHIYAMA