木曽路 八事店
- 竣工
- 2011 June
- 用途
- Restaurant
- 所在地
- 愛知県名古屋市昭和区広路町字隼人3-1
- 工事種別
- 外装・内装工事
- 施主
- 木曽路
- 設計
- moonbalance / 辻村 久信、西山 徹
- 施工
- 矢野建設
- 撮影
- Nacasa & Partners / 繁田 諭
島崎藤村 「夜明け前」
木曽路の情緒的な表現は、この物語の中にある。
木曽路はすべて山の中である。
あるところは岨づたいに行く崖の道であり、
あるところは数十間の深さに臨む木曽川の岸であり、
あるところは山の尾をめぐる谷の入口である。
山の中とは言いながら、広い空は恵那山のふもとの方にひらけて、
美濃の平野を望むことのできるような位置にもある。
なんとなく西の空気も通って来るようなところだ。
原点進化
「民藝」は、それまでの美術界ではほとんど無視されていた。
日本各地の日常雑器、日用品など、無名の工人による民衆的工芸品の中に
真の美を見出し、これを世に広く紹介する活動であった。
今「民藝」は、現代の画一化されたグローバルデザインに相対する
地方主義(ローカリティ)の表現となって、新しいデザインの潮流
を呼び起こそうとしている。
機能的には現代人にフィットしながら、日本人が持つ潜在的な郷愁の総体
「故郷への郷愁」としての「民藝」。
それは現代社会ではもはや非日常の空間であるのかもしれない。
何処かで見たようで何処にも無かった
過去のようで未来のようでもある
「新・民藝」が木曽路の目指す空間です。
辻村 久信 / Hisanobu TSUJIMURA